17年周期で大量発生する「ブルードX」と呼ばれる『素数ゼミ』。このブルードXは17年前に幼虫として生まれ、暗い地面の下に隠れて暮らし、樹液を吸いながらゆっくりと成長してきた。その途方もない数のセミたちが、今まさに東部全域で一斉に地上に姿を現し、羽化しようとしている。
そうしたセミの大量発生は生物学的な現象だが、見て見ぬふりをすることは容易ではない。そのセミの鳴き声は100デシベルに近づくこともあり、なんと芝刈り機と同じレベル。耳をつんざくような大音量だ。
アトランタ近郊のカウンティには、セミの声がうるさいと911に苦情の電話をしないようにと、注意を呼びかけているところもあるほどだ。日本では風物詩となっているセミの声も、アメリカではセミという昆虫の存在すら知らない人が多く、見たらゴキブリ同然のように怖がり、駆除しようとする。
素数である17年ごとに地上へと現れるこの『素数ゼミ』について、面白い記事がある。興味があれば、ぜひこちらもお読みいただきたい。https://epinesis.net/archives/72322872.html
そして、そんなセミの大量発生について、『WIRED』にはこんな記事も載っている。
”ブルードXがもたらすものは、騒音や自然に対する驚異だけではない。実を言うと、セミはフリーレンジ(放し飼い)で育ったコスト不要の環境負荷の少ないたんぱく源でもあるのだ。その素晴らしい味を求めて、コネチカット州ニューヘイヴンのシェフ、ブン・ライは動き出している… 十分な数が集まったら、セミ料理のポップアップレストランを森のなかで開き、ディナーを提供する計画だ。構想中のセミ料理はパエリアにピザ、そして寿司ネタにもしたいという…”
”「セミはほかの食用昆虫と同じくナッツのような味がします。ひと口かむごとに、ポップコーンの風味も鼻に抜けていくんです」と、シェフのブン・ライ。マダガスカルで昆虫食の復活プロジェクトを率いているカリフォルニア科学アカデミーの昆虫学者のブライアン・フィッシャーは、米国でも昆虫が食卓にのるようになるだろうと前向きな意見だ。ユンと同じくフィッシャーも、セミは昆虫食に抵抗がある人たちにもおいしそうに見え、とっつきやすいはずだという。「セミは美しさとおいしさにかけては昆虫のなかでも随一です!」「エビのような味がして高級感がありますよ」と。…” https://wired.jp/2021/05/20/eating-cicadas-brood-x/
イナゴの佃煮を食したことはあるだろうか? 実は子供の頃食べたことがあるのだが、やっぱりセミは無理。皆さんはどうだろう?