日本総領事館、ジョージア日米協会ならびに日本人商工会が協力して、平和の鐘鐘楼堂建築のために皆様からのご協力を募っています。
日本との友好のシンボルとして
ジョージア州カーター・センター内の「平和の鐘」の鐘楼を建築
ジョージア日米協会とジョージア日本人商工会は、在アトランタ日本国総領事館および日本貿易振興機構(ジェトロ)アトランタの後援のもと、カーター・センター敷地内にある「平和の鐘」の鐘楼を建築いたします。「平和の鐘」は、1985 年に日本人コミュニティがジミー・カーター元大統領夫妻に寄贈したものです。このたび建築する鐘楼は、日本とジョージア州の人々の友好のシンボルとなることが期待され、日本とジョージア州の関係深化に向けたカーター元大統領の貢献に対する認識を高めるとともに、日本とジョージア州の経済、文化、教育、政治的なつながりの強さを示すものです。この「日本・ジョージア友好の鐘楼」は、鐘がもともと置かれていた広島県三次市甲奴(旧甲奴町)の正願寺の鐘楼を模し、甲奴の大工の指揮のもと建築予定です。カーター元大統領 98 歳の誕生日にあたる 2022 年 10 月 1 日までの完成を目指しております。
第二次世界大戦中、全国に金属類回収令が発令され、甲奴の正願寺の梵鐘は砲弾の資材として呉海軍工廠に供出されました。しかし、鐘が砲弾になる前に終戦を迎え、戦後、この鐘は英国に渡り、英国人ジェームス・テイラー氏のもとに一時期保管されていました。1958年に父の遺品を整理していた息子のミロス・テーラー氏がこの鐘を発見、1982 年にこの梵鐘とともにフロリダ州イースト・オレンジ・パークに移住しました。1985 年に英国に戻ることになったミロス氏はこの鐘を譲渡することにし、これを知ったジョージア日本人商工会と在アトランタ日本国総領事館は梵鐘を購入するための寄付を呼びかけました。1985 年 7 月 24 日、野々山忠致在アトランタ日本国総領事と荒木博光ジョージア日本人商工会会長が日本人コミュニティを代表し、カーター・センター建設と日本庭園着工を記念し、カーター元大統領による世界平和推進活動への感謝を込めて、カーター元大統領夫妻にこの鐘を寄贈しました。
寄贈後にカーター・センターを訪問した秋山肇参議院議員(当時)は、鐘に正願寺の名前が刻まれていることを発見しました。1987 年 9 月 26 日、秋山議員は在アトランタ日本国総領事館の元領事である奥典之氏とともに正願寺を訪れ、カーター元大統領に梵鐘が寄贈されていたことを報告しました。砲弾の資材として溶かされたと思っていた梵鐘が日米親善のシンボル「平和の鐘」としてカーター・センターで大切に保管されていることを知り、正願寺関係者は大変喜びました。
1990 年 10 月 21 日、甲奴町長からの招待を受け、カーター元大統領は娘のエイミー氏とともに甲奴町を訪問しました。カーター元大統領の訪問中には、直筆メッセージを刻んだ記念碑の正願寺での除幕式が行われ、甲奴町の人々が作った「友愛の鐘」のレプリカを通じて、世界平和と相互交流への期待を表明しました。
翌年、甲奴町(現三次市)とジョージア州アメリカス市は姉妹都市提携を結びました。両市の間での訪問は現在も毎年継続的に行われております。カーター元大統領は、甲奴からの生徒たちに会い、ジョージア州プレーンズ(Plains)の日曜学校にて彼らに教える時間をとってきました。また、甲奴町の人々は、アメリカス市からの代表団による訪問を受け入れてきました。
三次市は 1994 年、ジミー・カーター・シビックセンターを建設、同年 7 月 7 日にカーター元大統領夫妻はこの建物のオープニングセレモニーに出席しました。同センターには、カーター元大統領の生い立ち、大統領就任、アトランタのカーターセンターの活動を伝える「平和学習センター」と呼ばれるギャラリーが設置されています。現在、甲奴のメインストリートはカーター通りと名付けられ、カーター元大統領にちなんだ野球場やジョージア州プレーンズの家を模して建てられた 4 軒の家もあります。ま、甲奴では多くの農家が「カーターピーナッツ」を栽培しており、毎年 11 月には「カーターピーナッツ収穫祭」が実施されています。
竹内一之在アトランタ日本国総領事:
「カーター・センターは、ビジネス、文化交流、青少年交流、姉妹都市関係等、様々な分野で何十年にもわたって日本とジョージアの関係の模範となってきました。その根底にあるのは、カーター夫妻の平和と人類に対するビジョンであり、献身的な姿勢です。1985 年にジョージア州の日人コミュニティからカーター・センターに寄贈された平和の鐘は、日本とジョージア州の揺るぎない関係のシンボルとなっています。今回の鐘楼建築構想は、この平和の鐘をカーター・センター敷地内に設置し、新たな高みへと昇華させるものです。1985 年に鐘が寄贈されたとき、当時の総領事が日本人商工会とともに日本人コミュニティを代表していたように、この取り組みに協力できることを心から嬉しく思います。」
ジョージア日本人商工会菊野長親会長:
「ジョージア日本人商工会は当地で活動する日系企業、並びに日本人の活動をサポートするために活動を続けています。ローカルコミュニティに対して日本並びにその文化を紹介することは、日本に対する理解を深め、日米交流ひいては日本人コミュニティーのプレゼンス向上を図ることにもなります。理解や交流は目に見える形で表すことが難しいものです。この度このプロジェクトに参画することにより、平和の鐘というひとつのシンボルを通じて、我々が相互理解を深め交流を続けることの意味や大切さを表すことができると考えています。ジョージア州においてこの平和の鐘が、日米交流の大切さを末永く私たちに語りかけてくれることを願っています。」
ジョージア日米協会ジェシカ・コーク会長:
ジョージア州において、日本とジョージア州の永続的な友好のシンボルを築くには、『平和を求める』ことに身をささげてきた人物が立ち上げたカーターセンターの敷地内ほどふさわしい場所はないでしょう。ジョージア州知事時代に行った日本企業のジョージア州への投資誘致活動、二度の広島訪問を含む複数回にわたる日本訪問、毎年プレーンズで行っている広島からの留学生の受け入れなど、カーター元大統領はそのキャリアを通じて日本とジョージア州の架け橋となってきました。数年前、広島の学生たちがカーター元大統領を訪問した際、『すべての学生にとってとても大切なことだと思うのは…平和、人権、互いへの愛といった私たちの人生において決して変わることのない原則を心に刻むことです』と学生たちに話したそうです。この鐘楼は、カーター元大統領の言葉を思い出させる重要な役割を果たしてくれるでしょう。」
日本貿易振興機構(ジェトロ)アトランタ高橋卓也所長:
「今回建築が計画されている平和の鐘の鐘楼は、日本とジョージア州の友好のシンボルとなるだけでなく、日本企業がここジョージアで歓迎されていると感じられるようになり、さらに緊密な経済関係にもつながるでしょう。」
本プロジェクトへの参加方法(寄付・スポンサーシップ)については、以下の URLをご覧ください。
www.jasgeorgia.org/Georgia-Japan-Peace-Bell/