いつも記事をご覧いただき、ありがとうございます。”資産形成に於けるプランニング”と題して有益な情報を引き続き配信させて頂きます。
前回の記事より、アメリカの金融商品の特徴に関して、TAX Benefitという観点から分析しております。アメリカの金融商品には、大きく分けて3つの商品群があるとご紹介しました。①の大きな特徴である”Sequence of Return”というリスクと、②の将来の所得税率の不透明性に関して過去の記事で解説しています。
- Taxable (課税対象)
- Tax-Deferred (税金繰延)
- Tax Advantage (税優遇)
本日はTax Advantage (税優遇)の特徴を説明したいと思います。皆さんは、Tax-Advantageの商品は何かご存知でしょうか。ここのカテゴリーでは、元本資金だけに所得税が取られるだけで、その元本で増えた運用益には、いくら資産が増えようとも所得税が掛からないという耳を疑うような大きなベネフィットのある商品群です。この商品群には、企業が社員に提供するAfter Tax 401K、個人年金制度であるRoth IRA、そして生命保険という枠組みの中で増えるCash Valueが主に分類されます。
企業が社員へ提供する401Kは、就業時間数等の要件を満たす従業員の方が、企業年金として貯蓄する事が出来ます。年間拠出できる限度額が決まっており、①Taxable商品と同じく、”Sequence of Return”というリスクを抱える商品です。
Roth IRAは企業に勤めていなくても、個人年金として個人で口座を開設することが可能です。ただ、年間拠出できる額が2021年度は50歳より下の方は$6,000と決まっており、拠出可能な方の収入制限もございます。そしてこの資産形成の方法も、①Taxable商品と同じく、”Sequence of Return”というリスクを抱える商品です。
生命保険という枠組みの中で増えるCash Valueは、死亡補償額の設定によって自由に保険料を調整可能で、大きな制限はございません。Wallstreet Journalの記事に紹介されていたように、アメリカの富裕層の9割は、このTax Advantageという商品群の中でも、生命保険のCash Valueという枠組みで40-50%の資産形成をしているという現実があります。
(出典: https://www.wsj.com/articles/SB10001424052748703435104575421411449555240)
Cash Valueが構築できるのは、Permanent Lifeと呼ばれる終身保険が該当します。Permanent Lifeの中にも、”Sequence of Return”というリスクを抱える商品もある一方、それを回避できる商品も出てきています。以前は、債券型と呼ばれるWhole Lifeが主流でした。Dividendが貰える商品でもある一方、債券と呼ばれる通り利回りが比較的高くはありません。また、将来ローンという形でCash Valueからお金を下ろす際も、安くはないローンチャージを払うこととなります。(平均3%~9%等)
リーマンショック以降に人気となったIndexed Universal型の終身保険が最近は伸びてきており人気です。ここではGuaranteed Cash Valueという事で、利回り0%以上を補償するので、市場が落ち込んだとしても資産がマイナスにならないというベネフィットがあります。利回りにCapが付いている事がほとんどですが、No-CapというAllocationを選択出来る保険会社もございます。また、従来の主流だったWhole lifeと比較すると、Cash Valueを下ろして使う時のローンチャージも会社によっては無料、高くても1%と非常に安く、この商品自体が、Cash Valueを必要に応じて自由に使う目的とした金融商品、という位置づけになっています。日本には存在しない商品ですが、現在在米中の皆様にとっては、将来の資産形成の一つのオプションとして有効活用できます。
日本銀行調査統計局が2020年8月に出した調査結果では、日本はまだまだ現金貯金が多いようですが、アメリカでは、株式とほぼ同じ比率の32.6%の資産は、保険・年金等で形成されています。皆様は、どのような比率で資産を運用しておりますか。この機会に、見直されてみてはいかがでしょうか。
毎月、【ファイナンス 知らないことシリーズ】と題しまして、様々なオンラインセミナーを無料で開催しています。皆様にとって有益な情報をご提供出来るように努めている無料のオンラインセミナーです。今月は、”アメリカで、日本で、生命保険の賢い使い方”というセミナーを開催します。
≪ 内容の一部ご紹介 ≫
*日米の生命保険の違い
*非課税枠の有効利用
*元本保証貯蓄としてのメリット
*介護保障などの特約
*生命保険の併用について
【日時】2021年6月 17日(木)東海岸時間 13時~14時
日本の生命保険とアメリカの生命保険は、色々な意味で大きく異なります。今回は、アメリカの生命保険の話だけではなく、日本の共済などについても触れます。それぞれの商品の良さを理解し、上手に活用したいですね。 来月は、公認会計士(CPA)/ 米国税理士(EA)の方をお招きして、TAXセミナーを開催予定です。
皆様のニーズに沿ってカスタマイズしたご提案も可能ですので、是非お気軽に日本語にてお問い合わせくださいませ。また、オンラインセミナー情報詳細も、E-mailにてお問合せください。
京橋直樹 – Financial Professional
電話:706-332-1812
E-mail: [email protected]