美しい身体作り、健康な身体作りの鍵(その24)
スウェクシーのクラスでお馴染みのエクササイズ『熊歩き』(クロール)の効果をご紹介したいと思います。
熊歩き(高ばい)とは、両手両足を床につけ、その体勢で前に進んでいく熊のような歩きをすることです。子供のころは簡単に出来た記憶のあるこの動き、大人になってから挑戦してみると、結構難しく感じます。体全体の筋肉を使わないとうまく進めませんし、体力がないと途中で離脱してしまうでしょう。
現代人は腰痛を感じたり、体が硬くなり、筋力が落ち、安定性やモビリティも低下しがちです。そんな硬くなった体への潤滑油が、この魔法の動き『熊歩き』です。立って歩けるようになったらハイハイなんてしないでしょ? そんな事ありません。フィットネスやリハビリ分野で、幼児の運動パターンへの注目が高まっていることは驚くべきことではありません。
ローリング、ロッキング、スクワット、クロールなどのユニークな動きへのチャレンジは体の痛みを和らげてくれます。最も人気のある動きの1つは高ばいであり、ADHD治療からプロ選手のトレーニングまであらゆるプログラムに使用されています。
● 脳の発達
体を意図して自由に動かすためには脳から指令を与えなくてはなりません。クロールパターンは対側運動パターンと呼ばれ、身体の両側の四肢を同時に使うため、脳の両側が一緒に働く必要があります。多くの情報が脳梁を通り抜けることで、新しい神経接続が形成され、強化されます。『2つの動きを同時に使う』右手と左手、目と手、手と脚など、私たちは無意識にこの協応動作をしています。なんだか緊張したときに「右の手足が一緒にでちゃった!」、ヨガや運動をしたときに、「あれ? 左手? 脚? ってどこをどう動かすのかわからなくなっちゃった!」なんてことありませんか? 全身を使用するクロールはこの協応動作を通し、脳の発達や老化から起こる認知症防止にうってつけです。
● 肩のコンプレックス
日常生活でデスクワーク、運転など座っている場面が増えると、肩こりに悩まされがち。 動かない関節はどんどん硬くなり、痛みさえ感じます。 さらに、動かない関節の周りの筋肉は弱くなり、適切に動かすことができなくなります。幼児や子供の頃に肩こりがなかったのは、肩を使って体重を支え、自分の身長よりも高いものをつかもうと肩周りを使っていたからなのです。クロールをするには、骨の動きに関与する肩甲骨、および他の関節が適切なパターンで動くことが必要です。同時に、上体を支えることで、関節に少量の圧縮がかかり、安定性および可動性に関与する筋肉を再活性化します。その結果、運動性が向上し、加えて上半身や背骨全体の血流が良くなるため、カチコチ肩こりと痛みが軽減されます。
● ヒップコンプレックス(股関節)
股関節は、肩関節と同じように球関節と呼ばれる球状の関節です。球状の関節をしているため、いろいろな方向に動かせるという特徴があります。お尻・股関節も非活動状態では、関節は固くなり、屈曲、伸展、回転などを行う筋肉が適切に動かなくなります。高バイをすることで硬くなった股関節、それを支える筋肉を呼び起こし、脚を様々な方向に動かせるようになっていきます。クロールの姿勢をすると骨盤の位置も正しい位置に調整されていくそうです。より健康な腰だけでなく、より健康な腰椎にもなります。
● 体幹強化
体幹の安定性が弱い人は、這うときに腰の揺れ、グラグラ感があります。コアは筋肉というより、前部/後部肩、股関節、胴体全体のバランス関係です。 二本足で立っているときは、頭の重さは垂直に身体にかかり、首から下の身体で支えているのであまり気づきませんが、四つん這いで頭を上げる姿勢は首、肩、背筋、腹筋に負担がかかります。手が床と接触して胴体を支え、股関節もバランスをとりながら、腕と脚を使い移動することで体幹が鍛えられます。 ハイハイを始めた赤ちゃんだけでなく、大人になってからもこんな効果が期待できるなら、じゃあ単純にハイハイしてみようよ!って話ですね。
ご自分の健康状態を考慮した上で運動を行いましょう。
SWETXY ベントリー葵