アトランタで撮影されたアマゾン・プライム・ムービー

1988年公開の『星の王子ニューヨークへ行く』から33年後、エディ・マーフィがザムンダ王国のプリンス(なぜ星の王子?)として戻ってきた。彼は国王となるが、全く知らなかった息子の存在を知らされる。娘が3人いるが後継者となるべき息子が欲しいアキームは、Coming to America! 息子探しにニューヨークに行き、ろくな仕事にもつけなかった息子ラヴェルをザムンダに連れて行く。ラヴェルはあっという間に王子としての素養を学び、世話係の娘に恋をする。隣国のプリンセスとの策略結婚からのがれ、クイーンズに戻り好きな彼女との結婚を急ぐ。

実は、正直なところこの映画はつまらなかった。ストーリーに深みが全く無く、ただただギャグを並べただけの、実に勿体無い出来になっている。確かに『1』もギャグの多いコメディ映画ではあったが、大ヒットとなっただけあって面白かったし、目新しかった。『2』は基本的に『1』と同じコンセプト『愛』だが、あたかもストーリーなどどうでも良いかのように、音楽、ギャグ、豪華な衣装を着た独特のキャラクターでただただ大騒ぎするパーティー映画という感じだ。

最後のクレジットの終わりに例の桃マークが出てきた。つまり、このNetflixのプライム・ムービーは、アトランタで撮影されているということ。どこで撮影されたのかを知って観ると、もう少し楽しめたのかもしれない。

まずは、アフリカのザムンダ王国の宮殿。もとプロボクサーのイベンダ・ホリーフィールド(1997年の試合中にマイク・タイソンに耳を噛みちぎられた)がかつて所有、現在はラッパーでプロデューサーのリック・ロス所有のフィアットビルにある豪邸で撮影された。ジョージア州で最大の一戸建て住宅で、35万ガロン以上の大きさのプールは、全米で最大のプライベート・プールの1つ。年間の維持費だけで約$1ミリオンらしい。12のベッドルームスイート、21のバス・ルーム、合計109の部屋があり、 屋内プール、映画館、ボーリング場、100人まで収容できるボール・ルームもある。

そして、ニューヨーク、クイーンズのシーンはアトランタのタイラ・ペリー・スタジオが使われている。バーバーショップはオリジナルの映画から丹念にそのままに再現されている。 プロデューサーは、ロサンゼルスで最初の映画で使われたオリジナルの椅子さえ見つけたと言う。

『1』を楽しんだ皆さんは、あまり期待せずに観るとそれなりに楽しめるかもしれない。でも、「私の1時間48分32秒を返して」と言われても、西森は責任を負えない。。。

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