現代版北欧神話の『ラグナロク』。ノルウェーの、山と湖に囲まれた、なんとも美しい小さな町が舞台だ。しかし、氷河は溶けてきており、湖の魚は死んでいて、病気に苦しむ人々がいる。

そんな町「エッダ」に母と2人の息子が引っ越してくる。町に入ると、老女が現れ長男のマグネの額に触れる。すると彼の瞳が光ったのだ。えっ、何? なんとマグネはこの老女に認められ、トールという神にされてしまったのだ。トールはハンマーと雷を武器に悪と戦う。えっ、ハンマー? その通り。トールはTHORであり、マーベル映画でクリス・ヘムズワースが演じるソーと同じ人物、いや、スーパーヒーローだ。そしてマグネの弟はロキになってしまう。(すいません、ネタバレです。)

しかし、マーベル映画と『ラグナロク』は切り離して観ることをお勧めしたい。正直な話、北欧神話を勉強してからソーが登場するマーベル映画や『ラグナロク』を観ていたらもっと楽しめたに違いない。

さて話を戻して…、このマグネ。決してイケメンとは言えないデカイだけの北欧のティーンエイジャー。ちょっと鈍いが憎めない存在だ。そんなマグネが対立することになる、町の権力者的存在で環境破壊の原因の企業を経営するのはヨーツル家。ヨーツルというノルウェー語は『巨人』からきている。

ノルウェー語で日本語字幕で観たのだが、『巨人』と出てくるたびに、「全然巨人じゃないし」「きっとそのうちこの人たちは本性を表して巨人に変化するに違いない」と思っていたが、期待は外れた。確かにスーパーパワーも持ち、滅多なことでは老化もせず死ぬこともない彼らではあるが、普通に生活する。マグネも弟もヨーツル家の者たちも、空を飛んだり、宇宙に行ったり、大きくなったりしないのだ。

ここでいう『巨人』とは大きい人たちではなく、『環境破壊』なのかもしれない。つまり、このシリーズは環境破壊と戦う現代版北欧神『トール』の話なのだろう。『ラグナロク』とは北欧神話における「世界の終末」であり、このシリーズは環境破壊による終末のことなのかもしれない。

1シーズンが日本のドラマのように短く、シーズン2が出たばかりだが、シーズン3も期待したい。北欧神話では神々や巨人たちもみんな死んでしまうのだが、このシリーズではどうなるのだろうか? 

実はシーズン2が出た時に、シーズン1の内容をすっかり忘れていて、また1の1から見直したのだが、こうして書くことで3が出る頃にはちゃんと1と2の内容を覚えていたいものだ。

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