「ブリジャートン家」
Netflix オリジナルシリーズ

Netflixのドラマシリーズを何個か紹介してるのに、今「ブリジャートン家」について書かないわけにはいかない。ジュリア・クインのベストセラー小説が原作の「ブリジャートン家」は、19世紀のロンドン上流社会の権力者であるブリジャートン家の長女ダフネとその兄弟姉妹、そしてその周りの社交界を描くドラマである。豪華なセットと衣装には圧倒される。

「Anne with E」(日本題:アンとういう名の少女)の中のダイアナもそうであったように、この時代の良家の娘は、躾も教育も全て良い結婚相手を見つけるためだ。婚活は女の一生、引いては一家の命運までもがかかった死活問題になる。ブリジャートン家のダフネも、他の娘たちも、将来の夫を探すために着飾り社交界に繰り出す。

そして、ゴシップやそれに翻弄される人たちは、今も昔も変わらない。レディ・ホイッスルダウンなる謎の人物が書く新聞に社交界の裏ゴシップが次々とすっぱ抜かれ、社交界全体がその新聞を中心に回り始める。ダフネもチヤホヤされたり干されたりと良い結婚相手が見つからないことに焦りを覚えてしまう。また結婚することにもファミリーを作ることにも興味のないヘイスティング公爵は、どこに行っても注目の的だ。公爵というタイトルはもちろん、ルックスも振る舞いも申し分ない。会えば反発していたその二人が、お互いの目的のために仲良しのふりをすることにしたが、そのうちに打ち解け合い恋心を抱き始める。

さて、そのヘイスティング公爵とその叔母のダンブリー婦人、シャーロット王妃もアフリカ系の俳優が起用されていて、時代劇としてはとても珍しく、そして目新しい。80年代の「Coming to America」(日本題:星の王子ニューヨークへ行く)ではエディ・マフィーはアフリカの王子を演じた。それは、西洋社会では黒人は差別され地位を与えられないが、アフリカでは王子だったかもしれないというところからきている。しかし「ブリジャートン家」では19世紀のイギリスで黒人も地位を与えられている。まさにカラーブラインドの時代劇だ。

ちなみにシャーロット王妃は実在する人物だが、多くの歴史家は、シャーロット王妃がアフリカの血筋を持っていると信じる。ドイツで生まれた公爵の娘で、ポルトガル王室の黒人支部に属していたマルガリータ・デ・カストロ・イ・ソウサの子孫にあたる。人種的なアイデンティティは完全には確認されていないが、多くの美術史専門家も、彼女の肖像画のいくつかにはアフリカ系の人々に見られる特徴が描かれていると分析している。

Netflix史上最高人気の「ブリジャートン家」。お子さんと一緒に見ることはお勧めしないが、色んな意味で見逃せない。シーズン2も楽しみだ。

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